『本が紡いだ五つの奇跡』森沢明夫、読みました。

よかったです。

 

一冊の本を中心に五編の短編連作集。

 

第一章 編集者奈緒はもうすぐ異動で編集の仕事を離れるかもしれない。学生時代の苦しい時代に救われた本の作者の担当になる。

第二章 小説家涼元は最初に書いた小説がヒットし映画化までされ会社も辞めたのだが、その後はイマイチで離婚。今はアルバイトの収入がメイン。一人娘との月一会っていたのだが、元妻が再婚するので会えなくなるかもしれない。

第三章 ブックデザイナー青山は肺ガンで余命宣告を受けたが、まだ誰にも言っていない。新しい仕事は受けないことにしていた。

第四章 書店員心美は学生バイト。就職活動中。なかなか上手くいかない。

第五章 読者唐田は10年前に妻を亡くし一人息子も大学生になり家を出ていったので一人暮らし。気になる人がいる。

 

一冊の本は『さようならドグマ』
みんなが惹かれる一節は「私の人生は、雨宿りをする場所じゃない。土砂降りのなかに飛び込んで、ずぶ濡れを楽しみながら、思いっきり遊ぶ場所なんだよ。あなただって、本当は、そうしたいんでしょ?」